こんにゃく

こんにゃく写真187x267

 

 

 

 

 

 

 

こんにゃく芋写真190x251

 

 

 

 

 

 

 

こんにゃく花写真200x266

 

 

 

 

 

 

 

 こんにゃく
(写真上から:コンニャクの葉と茎、 芋、 花)

学名
学名はAmorphophallus konjac。英名はelephant foot(ゾウの足という意味)あるいはdevil’s tongue(悪魔の)とも言い、それぞれ芋と花の形態に由来する。
サトイモ科の夏緑多年生植物で、扁平な円形の地下茎があり、地上にはだけを出す。地上に立ち上がるは高さ1mほどに伸び、先端は平らに開いて鳥足状に小葉をつける。生長に伴って根とは別に地下茎として吸枝(キュウシ)を出し、その先端に養分を蓄えて生子(キゴ)を作る。この生子から次の世代の芽が出るため、種芋として使用される。
株は次第に大きくなるが、ある程度大きくならないと花はつかない。栽培下では5-6年で開花する。開花する時には葉は出ず、また開花後に株は枯れる。花は高さが2mほどにもなり、花全体は黒っぽい紫で、独特の臭いを放つ。
原産地
コンニャクの原産地はインドまたはインドシナ半島ベトナム付近)とされ、東南アジア大陸部に広く分布している。日本への伝来時期は諸説あり、飛鳥時代に医薬として仏教と共に伝来した説や縄文時代に伝来した説もある。
群馬が国内生産ダントツ1位
コンニャクは他の作物が育たないような山間部の陰地でも育てることができ、反当たりの収入も多い特色がある。日光不足の土地で育てると芋の太りは小さいが、逆に病気が出にくい。また、土が浅く石ころが混じるような地質でも育つため、1950年代には稲作に適さない山間部の傾斜地向きの作物と言われた。 コンニャク芋の国内生産の93% (2018年)が群馬県で、かつて小渕恵三首相が会長を務めた「こんにゃく対策議員連盟」があり、国内生産者保護のため高額な関税が課されている。世界的な生産量は中国が圧倒的に多く、芋もしくは粉砕した粉末状の形で日本にも大量に輸入されている。
生食は毒
芋の部分を食用にできるがサトイモ科の多くの植物同様シュウ酸カルシウムの毒性が強く生食は不可能で、食用とするためには茹でてアルカリ処理を行うなどの毒抜き処理が必須である。基本的な毒抜きと蒟蒻の製法は芋を粉砕して粉にし、とともにこねた後に石灰乳(消石灰を少量の水で懸濁したもの)、炭酸ソーダ水溶液、または草木の灰を水に溶いたものを混ぜて煮沸して固めたものが蒟蒻として食用にされる。
低カロリー健康食品
蒟蒻の成分は96 – 97%が水分であり、それを除くと主成分はグルコマンナンという多糖類の1種で、ヒトの消化管ではほとんど消化されず、腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用される。このため、カロリーが極めて低い食品(100gあたり5 – 7キロカロリー)の1つとされ、摂取カロリーを制限する必要のある場合の食品素材としてよく利用される。グルコマンナンなど食物繊維は、腸内の有害物を排出し、血圧やコレステロールを下げる働きもあるといわれている。
こんにゃく食品のいろいろ
蒟蒻は日本ではおもにおでん煮物味噌汁豚汁などの汁物や鍋物の具に使われる。コンニャクを使った味噌汁は精進料理でたぬき汁とも呼ばれる。また、串を刺して味噌田楽の素材としても用いられる。たこ焼きなどに味付けした物を小さく切って入れる物もある。「しらたき」はすき焼きやおでんなどに使用される。他に炒め物やこんにゃくステーキなども存在するなど使用法は幅広い。板こんにゃくは、味がしみ込みやすいように表面に浅い切れ目を入れたり、手でちぎって調理されることもある。ただし、調理の際に酸の強い調味料を使うと結合力が低下し、軟化したり溶解してしまう場合があるので注意が要る。
食用以外のこんにゃく
食用以外でも、蒟蒻粉を水に溶かした蒟蒻糊は高分子化合物として強い粘着力を持ち、近世から近代にかけては化粧品土壁線香などの粘着剤、増粘剤として広く使用された。また、和紙に塗布すると強度が上がるだけでなく防水性を発揮するため、和傘擬革紙に活用された。近代に入るとオブラートセルロイド代用品、微生物の培地としても使用されている。

こんにゃくパーク
こんにゃくついて知りたければ、群馬県の甘楽町にあるこんにゃくパークへ行ってみましょう。工場見学からゼリーやこんにゃくを作る予約制の体験コーナーや、アレンジ料理やこんにゃくスイーツのバイキングなど、和食こんにゃくの文化と美味しさを伝える目的で作られた施設です。疲れたらちょっと一息、名水百選・雄川堰の地下水を使った4種類5か所の足湯に浸かってゆったりと家族で1日楽しめます。こんにゃく詰め放題もあります。
無料バイキングでは こんにゃくゼリー、味噌田楽などの他、こんにゃくラーメンや、しらたきのかき揚げなど珍しい商品もある。(写真上:各種コンニャク料理)

こんにゃく料理332x249

 

 

 

 

 

 

 

[参考文献]
・Wikipedia:こんにゃく
・こんにゃくパーク公式HP

(吉田 勝 記)