第102回 市民雑学講座ホームページ報告
講師:高橋龍太郎先生
演題:認知症の時代を生きる
開催日:2018年6月9日(土)
会場:サンパルネコンベンションホール
30度越えの暑さの中、164名(市民122名会員と家族42名)の方々が来場されました。昨年12月のドリアン助川氏による第100回講演会の入場者201名に次ぐ満員の盛況でした。 司会の阿部副会長から講師の紹介に先だち、非常避難口の説明がありました。今回から5ヵ所の避難口に誘導係が赤い腕章を付け待機するようになりました。 次に大内会長のご挨拶。入場者を見渡し「今日の演題に相応しい年配者の方々ばかりで...」と、講演前の場を和ませました。 いよいよ講演です。講師の 高橋龍太郎 氏は老人性認知症の療養病棟も備える病院「多摩平の森の病院」の院長です。東京都健康長寿医療センター前副所長です。 現代はさまざまな要因から不安を煽(あお)られる時代です。そのことで精神疾患を誘発し、「症」とつく病状を作り出します。「認知症」もその1つで、まさに現代病と言えます。 認知症は、介入(改善)可能な生活習慣によって予防できると言うのが高橋先生の持論です。 「食事」の面では、ビタミンやポリフェノールを含む食品とともに、DHAを含む魚もたくさん摂取したいものです。 近年、「運動」の 重要性が説かれていますが、このような研究成果も発表されています。 豊富な臨床のご経験に裏打ちされた先生の講演も結びとなりました。 「認知症の完全な予防は不可能かもしれないが、現代社会の中で生きる私達の心が不安にならないような、『強すぎず、密でない、適度にゆるやかな関係』が大切である」 そして、「根をもつこと」、「1つでなく複数の根を持つこと」の示唆が高齢化社会へ向けての高橋講師の提言となりました。 講演後の複数の質疑応答、控室に市民が先生を訪れ相談もあり、成功裏に終了しました。
(高橋 文子 記 野中 昭夫 写真)