俳句同好会イラスト付き
                    世話人:黒田 祐司
                          副島 健
                          中沢 義則

 

 

 

 

 

鈴木真砂女にこんな句があります。「新涼や尾にも塩ふる焼肴」焦げないように魚の尾鰭まで振る塩の白さに新涼を感じたというのです。食い意地の張っている私は涼しくなると、根室あたりから聞こえてくる秋刀魚の水揚げのニュースが気になります。今のところ秋刀魚は昨年よりは取れ高が多そうです。今年こそは美味くて安い秋刀魚を七輪でジュージュー炙りながらたらふく食べたいと思っています。
さて、今回ご紹介するのは6月の第134回稲酔句会で一平さんの特選句となった小久保野火児さんの句です。マジックがお得意の野火児さんは今回初参加でしたが、鮮やかなマジックの手際のように一平さんの特選を射止めました。

遠花火キリキリ痛む手術あと 野火児

一平さんの評:下五の「手術あと」の「あと」がひらがな表示なので「後」なのか「痕」なのか正しくは理解できないが、「後」ならば手術が終わって麻酔が覚めてきたあたりの痛みだろうし、「痕」ならば手術後あるいは季節になるとたびたび疼くということだろう。自分の体験から解釈すると中七の「キリキリ痛む」はどうも手術後の麻酔の覚めかかったあたりの痛みのように思える。窓の外に見える「遠花火」にも集中できないでいる作者の姿が思い浮かぶ。

次回の第136回稲酔句会は10月24日(木)13:00(多摩湖ふれあいセンター)を予定しています。
俳句に興味、ご関心のある方は副島(そえじま)まで「お問い合わせフォーム」にてご連絡ください。
                                                       (副島 鶴来 記)

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