世話人:黒田 祐司
副島 健
中沢 義則
八月は夏休み真っ只中。帰省した子や孫たちと遊ぶ機会が増える時期です。プール遊びや花火など夏ならではの遊び方で楽しいひとときを過ごす方も多いのではないでしょうか。ただ、元気に遊び回る子や孫に付き合っていると自分の体力の衰えを感じ、ちょっと寂しい気持ちになる事もあります。こうした気持ちをうまく詠んだ句があります。
「草笛を子に吹く息の短さよ」 馬場移公子(いくこ)
子(俳句では孫も子と表現します)に草笛を吹いてあげたらすぐに息が苦しくなってしまったというのです。さりながら孫とのかけがえのない時間を楽しんでいる様子も伺えます。
さて、今回は6月の句会で最高得点句となった小久保野火児さんと中沢豆乳さんの句をご紹介します。今回は最高得点句が5点同点で四句も生まれるという活況でした。後の二句は次回にご紹介します。
ローカル線扉手で開け麦の秋 野火児
柿黒評「旅は誰にとっても非日常の空間。その非日常の空間で電車の扉を手で空ける事は都会住まいの我々にとっては更に非日常の行為。その非日常の行為をした瞬間に豊かに稔った麦畑が広がる描写に感動。素晴らしい句です。」
夏至一献暮れぬ街路を千鳥足 豆乳
鶴来評「「夏至一献」の切り出しが鮮やか。店を出るとまだ薄暮の空が広がっている。ほろ酔いに千鳥足で歩くとそこに涼やかな風。この気分は夏の宵しか味わえない。」
次回の第141回稲酔句会は8月28日(木)を予定しています。(場所は東村山市立社会福祉センター)
俳句に興味、ご関心のある方は副島(そえじま)までご連絡ください。
(副島 鶴来 記)