俳句同好会イラスト付き               世話人:黒田 祐司
                     副島 健
                     中沢 義則

 

 

 

 

 

 

北から紅葉前線が南下する季節となりました。そろそろ紅葉狩りに行こうかとお考えの方も多いかと思います。蕪村に「山暮れて紅葉の朱を奪いけり」という句があります。日が暮れて山が暗くなり、紅葉が見えなくなったというのです。凡人は紅葉の鮮やかさに目を奪われて、その美しさを何とかうまく詠もうとします。蕪村は暗くなった山を詠み「昼間はあれほど鮮やかだったのに」という思いを強烈に伝えます。まさに俳句の極意のような句だと思います。
さて、今回ご紹介するのは8月の第135回稲酔句会で菊田一平さんの特選句となった森川ねここさんの句です。暑かった夏の日の「ポキ」「カリ」という胡瓜を齧る音が清涼感とともに脳裏に蘇ってきます。

まるごとのきうり食む音かじる音   ねここ

一平評「とても美味しそうな一句。「きうり食む音かじる音」の畳みかけに勢いがある。子どものころから井戸で冷やした胡瓜に味噌をつけて食べるのが好きだった。味噌は軽く酢で溶いた酢味噌。ねここさんのこの句を読みながら海で泳いだ体に汲み置きの井戸水をかぶって胡瓜にかぶりついた小学生のころの夏休みを思い出して懐かしくなった。」

次回の第137回稲酔句会は12月中旬を予定しています。(場所は未定)
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                                                         (副島 鶴来 記)

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