世話人:黒田 祐司
副島 健
中沢 義則
「あけましておめでとうございます」と12月中旬に予定稿を書き始めたのですが、今は新年から何が起こるかわからない時代です。昨年は新年早々、能登に大地震があり、素直に喜べませんでした。そして痛ましい様子を「焼け跡の夫婦茶碗や能登に雪」(読売俳壇高野ムツオ選)と詠みました。今年は穏やかな正月であれと願うばかりです。
さて、今回ご紹介するのは10月の第136回稲酔句会で菊田一平さん選で特選となった山口泰山さんの句です。若い頃、事務所に一人残って残業をした頃を思い出しました。
夜仕事の昔タイガー計算機 泰山
一平評「「昔タイガー計算機」の措辞には驚いた。全くなじみのない会社の名前だった。調べてみると、「タイガー計算機」は「虎印計算機」として大正十二年に製造発売されている。戦中には海軍も使用していたらしい。全くそのあたりは不案内だが入社したころにはカシオの電卓が日常的に使用されていた。それでも人によってはまだ計算尺や算盤を使っている人もいた。もう半世紀以上前のことだ。上五の「夜仕事」の斡旋も無理なく納まっている。」
次回の第138回稲酔句会は2月27日(木)を予定しています。(場所は東村山社会福祉センター)
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(副島 鶴来 記)